30代の理学療法士が初めての転職で失敗しないための6つのポイント

30代PTが転職で失敗しないために

新卒で病院に勤めてもう10年。

年収アップのために転職したいけど、初めてなので何に気をつけるべきか知りたい。

僕も自分でちゃんと就活したのは31歳のときでした。

転職エージェントに登録しまくって、いろいろ情報収集したのを覚えています。

この記事を読むべき人
  • 30代になって初めて転職する理学療法士(経験年数8年以上)
  • 新卒で学校に勧められるがままに病院へ入職した人
  • 就活そのものが未経験だから、どうすれば良いかわからない

まず本題に入る前に30代理学療法士の転職事情について把握しておきましょう。

30代の理学療法士の転職事情

30代の理学療法士の転職事情

30代の理学療法士の転職理由

マイナビコメディカルの調査では、30代PTの転職理由は以下のようになります。(ランキング形式)

  1. 給与待遇・キャリアアップ
  2. 雇用形態・働き方
  3. 家庭の事情

参考:「2019年版 リハスタッフのための失敗しない転職の進め方」

1位はやはり「給与待遇」
(ちなみに20代・40代でも1位は「給与待遇」でした..)

30代の理学療法士の特徴として

  • 結婚して家庭を持つ人が多い
  • 中堅どころで上のポストが限られている

その結果、

転職して年収アップ・キャリアアップを狙う人や、家族との時間を大切にするために働き方を見直す人が多いです。

30代の理学療法士の転職回数

「PTOTSTの転職意識度調査結果ーPOST調べー」によると、30代理学療法士の約4割が転職未経験者であることが分かっています。

残りの6割は明確なキャリアプランのもと、20代のうちに1回以上は転職している可能性が高いです。

(職場が合わなくて転職を繰り返す最悪なパターンも含まれているかもしれませんが..)

とにかく30代で初めて転職を経験する理学療法士はそこそこいるってこと。

「自分のため」だけじゃない「家族のため」の転職

(初めての転職にしては荷が重い..)

そんな絶対に失敗できない初めての転職で気をつけるべきポイントをこれから解説していきます。

30代の理学療法士が初めての転職で失敗しないための6つのポイント

即戦力になる覚悟と準備

30代PTが即戦力になる覚悟と準備

中堅どころの30代は必然的に求められるものが多くなります。

  • 即戦力
  • 適応力
  • リーダーシップ
  • マネジメントスキル

最近では役職のついていない30代PTも多いので、マネジメントスキルまでは求められないかもしれません。

大事なのは即戦力適応力

転職先で自分のスキルをバンバン活かし、徐々にリーダーシップを発揮していくためにも、転職先の知識や情報を仕入れておきましょう。

急性期病院から訪問リハビリへ

例えば、急性期病院から訪問リハビリへ転職する場合、介護保険制度や訪問系に必要なスキルを事前に勉強しておくと良いでしょう。

今ではネット上で情報は無限にあるので簡単に自己学習できちゃいます。

職場としても、同じ能力なら伸び代があって長く働ける20代PTを採用します。

面接を有利に進めるためにも、自分の経験やスキルをアピールし、即戦力として活躍できることを相手に印象付ける必要があります。

30代の転職は最初で最後のチャンス

30代PTの転職は最初で最後のチャンス

言わずもがな

年齢を重ねるごとに好条件の転職は難しくなります。

できれば40歳までに生涯務める職場を決めて、順当にキャリアアップしたいところ。そこで最終的に役職につければ御の字ですよね。

そこから逆算すると30代の転職は2回が限度、できれば1回目で優良求人をゲットしたいところ。

40代での転職はいろいろと大変ですから。

40代で転職するデメリット

40代の転職は雇う側も雇われる側もしんどいんです..

  • 年下が上司になるから気まずい(雇う側も年上だと扱いにくい)
  • 管理職などのポストが空いていない
  • 希望年収が高いため、見合った求人が見つからない
  • よっぽど能力が高くない限り、20代30代PTに競り負けてしまう

もちろん選り好みしなければ40歳超えても転職はできます。2017年時点でも40代PT(男性)の就業率は90%を維持しています。(日本理学療法士協会調べ)

ただ、まだまだPTは売り手市場だと思っていても、2040年問題は徐々に迫っているのでご注意を。

療法士における2040年問題とは?
  1. 2019年と比べて療法士の数は約3倍になる(人口10万人あたり)
  2. 供給数が需要数の約1.5倍になり、療法士が供給過多になる
  3. 反して2040年に向けて高齢者の数は減っていく
  4. 理学療法士の就職競争率は約1.6倍になる(3人に1人は就職できない時代へ)

参考:厚生労働省:理学療法士・作業療法士の需給推計を踏まえた今後の方向性について

「2040年頃の学生さんかわいそう」

って思っている30代PTのあなたも例外じゃない。2040年になればあなたも50代です。

人件費のかかる中高年セラピストはいつクビ切りに合うかわかりません..(新人でもベテランでも診療報酬の点数は同じですからね)

年収の相場を知ろう

30代PTの年収相場

年収アップを狙うなら年収の相場を知っておくことは大事。

以下に地域別・業態別で平均年収をまとめました(収集したデータの8割は20〜30代のPTなので少し低めの水準となっていますが..)

首都圏東海圏関西圏
病院375万365万372万
クリニック412万382万388万
施設 ※1385万363万362万
訪問系 ※2406万366万380万
参考:マイナビコメディカル「2019年版 リハスタッフのための失敗しない転職の進め方」

(※1 施設:老健、特養、リハ特化デイなど)
(※2 訪問系は表示の年収にインセンティブが追加される)
(残業代は含まれていない)

特徴を以下にまとめました。

  • 全体的に首都圏の方が東海圏、関西圏よりも年収高い。
  • 病院勤務の場合は年収の地域差は小さい。
  • 訪問やクリニックだと首都圏の方が年収高い。

マイナビアドバイザーのプレゼンより引用してまとめると、

  • 首都圏は訪問の求人数が多く、年収も高い。
  • 年収の高い求人は訪問看護のインセンティブ有管理職主任職の募集などがメイン。
  • クリニックには希少求人あり。個人事業主だと給与の高い求人もある。

さすが首都圏って感じですね。
(まあ物価も高いですけど..)

住む地域は変えられないことが多いので、あくまで参考程度に。

30代のあなたが年収アップのために転職するなら以下の転職が狙い目です。

  • 訪問系やクリニックへの転職
  • 役職狙いの転職

次項では先に挙げた2040年問題も踏まえて、キャリア形成について解説します。

今後のキャリア形成について考えよう

30代PTの今後のキャリア形成について考えよう

どのような環境でどのようにして働きたいか

理学療法士として何をしたいか

30代の転職は今後のキャリアが決まる大きな選択です。

そこで影響するのが2040年問題なんです。

  1. 2040年以降は高齢者が減る
  2. 患者のほとんどは高齢者
    (ってことは病院の患者も減る)
  3. 国の政策で病床数も減っていく
    (2025年までに20万床削減予定)
  4. それでもPTは増え続けていく..

そうなると今後は病院に勤務できるPTは限られてくるでしょう。

それでも病院に転職したいなら、2040年を見据えて着実にスキル・キャリアアップして組織で生き残れる人材にならないと未来はありません。

一方、政府の方針として

「病院在院日数の短縮」

「在宅医療・地域包括ケアの推進」

に重点を置いていることから、病院で働くよりも訪問リハビリ訪問看護介護予防事業に従事するほうが賢明です。

特にこれからは「予防」が大事

予防理学療法の社会的認知

2013年の厚労省医政局の通知文を要約すると

  • 介護予防事業などで「理学療法士」と名乗って活動してもOK。
  • その際は医師の指示もいらないよ。

これは「国民の健康増進・予防において、理学療法士が重要な役割を担う」と政府から期待されているのです。

職域を広げて、「患者」ではなく「健常者」を対象に予防理学療法をしたほうが需要があります。

今後は予防理学療法が熱い

以下にこれから需要のあるキーワードをまとめました。

  • ヘルスケア、ヘルスプロモーション
  • 健康維持・増進
  • 疾病予防
  • 介護予防、地域包括ケア
  • 早期退院後の訪問リハビリ、訪問看護

今後はこれらの領域で「理学療法士による運動療法」が必要とされるでしょう。

1年前から転職活動しよう

30代PTの転職活動は1年前から

失敗しないためにも1年前から転職活動するべき(遅くとも半年前)

理由は以下のとおり。

  • 転職開始時期は年々早まっている。優秀な人ほど動き出しは早い。
  • 「新規立ち上げの職場」や「立ち上げに伴う増員募集」は1年前から求人を出すところが多い。
PT転職時期年収アップを狙う理学療法士の最適な転職時期とやるべきこと

働きながら1年前から転職活動するのは大変だけど、転職エージェントに登録して求人情報をバンバン提供してもらえばOKです。

優先順位を決めよう

30代PTの転職では優先順位をちゃんと決めよう

転職エージェントに登録する際に希望条件をいくつか提示すると思います。

ただ、希望が全て叶うことは稀です。

転職をスムーズに進めるためにも、優先順位をつけて提示しましょう。

ある程度のところで妥協するのも大事。

著者の希望条件
  1. 希望年収は現在の年収以上
  2. 業態は訪問リハビリまたは訪問看護
  3. 土日休み
  4. 通勤時間30分以内

僕はこんな感じの希望を提示しました。たぶん。

僕の場合、都心部から県外へ引っ越したので年収はどうしても前の職場を超えるところが見つかりませんでした。

年収は10万円ほど下がりましたが、その他の条件は全て満たすことができました。

転職においてこの希望条件の優先順位はほんとに大事。自分のキャリアプランと照らし合わせながら熟考してください。

今まで挙げたポイントをしっかり押さえずに転職先を選ぶと失敗してしまいます。

次項では30代PTの転職でありがちな失敗例をまとめました。

30代の理学療法士の転職でよくある失敗例

30代PTの転職でよくある失敗例
30代PT
30代PT

クリニック勤務

年収や福利厚生などの条件の良さに惹かれて転職してみたけど、サービス残業も多く業務内容はかなりハードだった。

余裕のない雰囲気のせいか、スタッフ同士の関係も悪く、いつもピリピリしてて馴染めない。勤めてから知ったけど毎年離職者が絶えないところだった..

めちゃハード

=離職しやすい
(職場の雰囲気最悪)

=好条件で急募

みたいな流れはけっこう多い。好条件の裏にはデメリットが隠されています。

希望条件だけ見て即決せず、見学時にはちゃんと「職場の雰囲気」や「人間関係」を肌で感じてきましょう。

30代PT
30代PT

老健勤務

家から近いという理由で病院から老健へ転職。

年収もそこそこ良かったから、金銭的にも時間的にも余裕ができたけど、仕事にやりがいを感じなくなった。

「理学療法士としてどうなりたいか」もっと真剣に考えて転職先を選べばよかった。

今ではただ単調に仕事をこなしている感じ..

転職したい目的を明確にしないまま、なんとなく転職するのはとても危険。

「家から近くて年収がそこそこ」でもやりがいを感じなければ長続きはしません。

世の中にはやりがいがなくても、割り切って仕事している人もいますが、リハビリは人と関わる仕事なのでそうもいきません。

やりがいがないからといって単調に消耗していくのは、患者や利用者に対して失礼です。

そうならないためにも、先に挙げた6つのポイントを押さえて自分のキャリアプラン転職したい目的(希望条件の優先順位)を明確にしてから転職してください。

33歳の著者が思うこと
(2020年5月時点)

あ、ちなみに僕のスペックはこんな感じ。

12年目の理学療法士

2009年〜2011年 大学院(修士課程修了)
在学中は訪問看護ステーションに勤務

2012年〜2017年 大学病院勤務(回復期→維持期→急性期の順に経験)

2018年〜 老健母体の訪問リハビリ兼 訪問看護ステーションに勤務中..

  • 大学病院時代は積極的な研究活動で学会発表も多数経験(受賞歴あり)
  • 論文の執筆経験あり。一応複数の論文の共著者にもなってます。
  • PTの給与の低さに嫌気がさしている。
  • でもPTの仕事自体は嫌いではない。
  • 2015年から医療系ブログ始めて副収入を得てました。(過去のグーグルアップデートで現在アクセスは死んでます..)

僕は31歳のときに転職エージェントを活用して訪問リハビリに転職しました。

1年以上前から退職の旨を上司に伝えていたので、じっくり時間をかけて転職活動してました。

失敗したくなかったんで(笑)

訪問リハビリに転職してよかった

訪問リハビリに転職してよかった

やっぱ訪問リハビリ楽しい。

総合力が求められるし、家族やケアマネなど異業種とのコミュニケーションも気が抜けません。そこがまた楽しい。

あと車で移動して1人で仕事するのってホント気がラク。自分だけの時間って大事。最近はほとんど事務所に戻ってません(笑)

最近は営業用のチラシなんかも考案して、ケアマネさんたちに配ってます。あと行政の地域包括ケアにもたまーに関わっています。

地域の年収格差は大きい

30代PTは地域の年収格差大きい

僕の場合、田舎に引っ越しての転職だったので給与の相場は都会の大学病院にいた頃よりも低くなっています。

やっぱ地域差は大きいですね。

首都圏の年収相場はほんと高い。東京で訪問リハやったら年収450万は超えますからね。普通に羨ましい。物価も高いから出費もかさむけど。

でも、僕も田舎の中でも周囲の相場よりかは高い年収の老健に転職できたので一応満足はしています。

ただ、うちの老健の訪問はインセンティブ制度がないので「伸びしろ」は低いんですよね。。訪問リハビリへの転職を考えているなら、インセンティブ制度を採用している職場かどうか確認が必要です。

老健母体だと入所や通所のスタッフと給与水準は同じなので、訪問リハビリ部門だけ「頑張ったからインセンティブもらえる!」なんてのは通用しないんですよねー。

今後経営陣に交渉してみようかな。インセンティブ。

まとめ

30代PTの初めての転職で重要なポイントまとめ

というわけで、長々と書いてきました。。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

今回は30代の理学療法士が初めての転職で失敗しないために押さえておくべきポイントを分かりやすく6つ解説しました。

分かりやすかったかどうかは別として(笑)

「失敗できない初めての転職」ってハードル高すぎですよね。

失敗しないためにも早めに動き出すことがとても重要なのでそこだけは押さえておいてほしい。

職場の環境とか待遇面とかは転職エージェントのアドバイザーに任せておけば大丈夫。

大事なのはあなたが「PTとして今後どうなりたいか」

そこはきちんと自己分析して、自身のキャリアプランをしっかり考えてみてください。

僕と同じ30代の理学療法士さんの参考になれば幸いです。

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